臼井裕二のカービングアドバイス
臼井裕二(うすい・ゆうじ)//18歳でスノーボードに出会い、25歳からスクール校長業務を始める。30歳から8年間、7期連続でデモンストレーターとして活動中。現在は福島県南会津にあるだいくらスキー場にてスノーボードスクールを経営。同エリアにてペンション業務(ゲストハウスツムット)も行なっている。
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【目線と切り替えの関係】
急斜面への斜度変化の手前で「滑走方向へしっかりと目線を送る」という良い動きができています。
目線の動きはとても大切。目線の送り方が悪ければ次のターンへのすべての動きが後手になりますが、滑走方向を見ることで、
①斜度の把握
②縦方向と横方向のターンスペースの把握
③雪質の予想
上記の3つのポイントを明確にしながら、ヒールサイドターンへの準備ができ、ニュートラルな切り替えを行ないやすくなります。
ターン切り替え時のミスとしてよく見られるのが、前のターンを引きずりながら次のターンを始めてしまうケースです。このようにニュートラルな切り替えができなければ、エッジングが遅くなり、ミスを誘発しやすい状況になります。
では、どうすればよりスムーズにニュートラルな切り替えを行なえるのか。ポイントは、早い段階でトゥサイドのエッジングを完成させることです。そうすればバランスのいいターン後半を迎えることができると同時に頭を起こしやすくなるため、目線を滑走方向へしっかりと送れるようになります。
SBMの大会では、フリーライディングからキッカーセクションへのスムーズな演技の繋がりも評価の対象となっているので、その点も踏まえて参考にしてみて下さい。
【上手なエッジング】
全身を巧みに使い、素晴らしいエッジングでバンクを攻略しています。このすべりで注目したいのが、トゥサイドの「ノーズ方向への圧のかけ方」です。
写真のライダーは、頭を起こして肩甲骨でバランスを取ることでノーズ方向へ圧をかけ、しっかりと下りのバンクに対して乗り込んでいるのがわかります。
トゥサイドはノーズに乗り込むことが難しいとされていますが、できるようになれば滑りの幅が広がります。
まずは、これから紹介する方法で練習してみましょう。
緩斜面でカービングをしながら、ノーズのデッキ面の真上に頭を移動させる。
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頭の位置が安定したら前の手を前足のハイバックに近づける。この時、頭の位置が下がりすぎないようにうまくバランスをとること。
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足首をしっかりと曲げ、ボードのまん中を踏む意識を強くもつ。バインディングのベースプレート全体に圧力をかけられたらOK
この練習方法で注意したいのは「頭をノーズ側にキープし、テール側には持っていかないこと」です。頭がテール側に動くと後傾になり、ノーズの圧力が抜けてしまう原因に。ボードをうまくプッシュしながらカービングをすることができなくなります。
この練習ができるようになったら、さらにボードの角付けの強弱を細かく調整できる様に練習してみましょう。
ポジショニングに関しては、以前は「おしりを出してはダメ」と言われたことがあるかも知れませんが、この踏み方は、おしりが出ないとできません。
少しマニアックな言い方をすると「骨盤を立てて踏む」というイメージにです。柔らかく肩甲骨を使う点がポイントとなるので、向き不向きはあると思いますが、ぜひ挑戦してみて下さい。
これができるようになればボードをズラしてラインを変えるのではなくボードの「たわみ量」を調整してラインを変えることができるようになるため、ライン取りの選択肢が増えますよ。