ジャッジ・平間和徳のフリーライド解説【稲村樹・谷上加七子】
滑走タイムで競われたバンクドスラロームに対し、ジャッジによる採点が行われたフリーライディングとストレートジャンプ。多くのライダー達が高いパフォーマンスで会場を沸かせたが、シビアな判定を下すジャッジの目にはどう写っていたのか。
今回はSBMフリーライディング種目でジャッジを務めた平間和徳に2名の選手を解説してもらおう。
男子フリーライディング14位 稲村樹(総合順位2位)
【解説】
スタート直後のシフトは軽快ですが、着地後のフロントサイドターン(0:05~)でのズレによる減速が気になります。壁でのアップスターンはしっかりとしたカービングターン。最後のターン(0:09)ではパンピングにより加速したカービングターンで抜け、ボトムの減速を最小限に抑えてバックサイドのスラッシュに繋いでいます。ややテールに乗り込むボードコントロールの巧みさも見えますね。
中盤でのミドルサイズのカービングターンは、次のロールへのタイミングを合わせる為のターンになっており、少し減速要素が見えますが、ロールで繰り出したテールプレスのミュートグラブは彼本来の遊び方や、ボードコントロールの上手さが光っています。
終盤のリバースターンやスライドスイッチの連続は、減速する事なくリズミカルにルーティンに組み込まれています。ただし、バーン全体を使う様な構成にはなっておらず、バーンのセンターに偏った構成になっている。そういったポイントが来年の課題になってくるのではないでしょうか。よりバラエティに富んだルーティンにする為に、減速要素の少ないカービングターンを様々なサイズで織り交ぜるとさらに上位を狙えると思います。
女子フリーライディング30位 谷上加七子(総合順位4位)
【解説】
スタート直後のロールに斜めのラインで入る発想は良いですが、斜面の変化に対応できず転倒してしまったのが非常にもったいないですね。女子選手の中では、ボードのサバキ感など、全体的に乗れている感じが出ています。
ただ、壁に対するカービングターンのマッチングができておらず、ところどころ無駄な減速要素が見られます。壁のヒットポイントに対してだけのボードコントロールになってしまいがちなので、前後のターンとスピードコントロールを意識すれば、さらなる高得点を狙えるでしょう。