SBM GAME1覇者 石田貴博

オリンピアンを筆頭に国内最高峰の実力者たちが集結した第1回SBM。記念すべき第1回大会で見事初代王者に輝いた石田貴博に、2日間の胸中、第2回大会に向けた意気込みなどを聞いた。

TAKAHIRO ISHIDA

石田貴博(いしだ・たかひろ)
スポンサー:BURTON、OAKLEY、SHIFT、ムラサキスポーツ
(photo:Yoshifumi.Shimizu)

20代前半から40代まで、年齢層もジャンルも様々なライダーたちが集まったSBM GAME1を制したのは、スロープスタイルを得意とする石田貴博、34歳。過去に出場した大会ではレールへのバックフリップインや、石田の代名詞とも言えるトリプルバックフリップなど、他のライダーの一歩先を攻め続け、多くの観客とユーザーを魅了してきた。
「常にジャンプの仕組みを研究している」と本人が語る通り、石田は生粋のジャンパー。そのスキルはSBMにおいても圧倒的だった。そんな石田にSBMの熱い2日間を振り返ってもらった。

バンクドスラロームコース。全長1kmのゲレンデに、緩急をつけた滑走時間約2分を要するハードなコースが造成された(photo:Yoshifumi.Shimizu)

-初日のバンクドスラロームはいかがでしたか?
石田:バンクドのコースはとても楽しかったです。天候のせいもあり、ぶっつけ本番みたいな感じだったので、1本目はコースアウトしないように抑えめで滑りました。攻めようと考えていた2本目はワックスをしてもらった板がめちゃくちゃ走って。気持ちが入っていたのもあって思い切りでんぐり返ししてしまいました。しかも2回も悔しくて、宿に帰ってふて寝してましたね。

前日の公開練習が強風により中止に。選手たちはコースチェックのみでのぶっつけ本番となった(photo:Daisuke.Shibata)
ハードなコースに加え会場を包む濃い霧が選手たちを苦しめた(photo:Daisuke.Shibata)

-バンクドで出遅れ、2日目のフリーライド・ジャンプにはどのような心境で臨んだのでしょうか?
石田:ぐっすりふて寝したら翌日の朝に滑り方のコツを思いついたので、2日目はその滑り方をしてみようと思っていました。それ以外はシーズン中に自分がやってきたことを発表できればいいか、くらいにしか思ってませんでした。

-フリーライドを滑ってみた感想は?
石田:何をしたらいいのかまったくわからない状態でしたが、とにかく意識したのは上から下まで切らずにターンで繋ぐこと。
レギュラーのグラブターン×2、リバースターンからスイッチターン、そしてジャンプへ。スタートからストレートジャンプを終えるまで、ターン弧の大小でスピードを調節し、1本のラインで滑りきることができたのは良かったと思います

-フリーライドで見えた自身の課題はありますか?
石田:もっとスピード感があってもいいかなと思いましたね。

スロープスタイルやジャンプに定評のある石田だが、フリーライディングでもバンクをしっかりと攻略し、スタイルを魅せた(photo:Daisuke.Shibata)

-ストレートジャンプではダントツの1位を獲得しましたが、自分では100点満点中何点つけますか?
石田:90点くらいだと思います。公開練習と本番がそれぞれ1本ずつという状況の中で、天気やコンディション含め、自分があの時にあそこで飛べるMAXまで飛んでストンプできたからです。着地した後もターンへきれいに繋ぎきれたのも自分で評価できる部分かなと。

当日の最長不倒距離と淀みのないスイッチバックサイド900で全員の度肝を抜いた(photo:Yoshifumi.Shimizu)

-実際に出場して感じたSBMの感想を教えてください。
石田:全く新しい大会で本当に新鮮でした。自分は日本一のラッキーボーイで、なかなか味わえない良い経験をさせてもらえたと思っています。SBMという大会で滑らせてもらうことができたこと、本当に感謝しています。

-SBM 2nd GAMEへ向けた意気込みを教えてください。
石田:GAME1の時もできる事しかしてないので、GAME2でもできる事をしっかりとやります。あとは去年より潜在意識を使えるようにしておきます。

-最後に、発起人である東野圭吾さんへメッセージをお願いします。
石田:ここまでの大会を作った東野圭吾先生のスノーボード愛を直接聞いてみたいです。そして一緒に滑ってみたいです。東野先生の世界観はどうなっているんだろう? とか、すごく興味があります。
東野先生は大人気作家できっとお忙しいと思いますが、これからもお身体に気をつけてたくさんの名作を世に送り出してください。
非常にレアで最高に良い経験をさせていただいたこと、家族みんなで感謝しています! 本当に本当にありがとうございました!

(photo:Yoshifumi.Shimizu)

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