SBMは「挑戦」をやめない

今さらながら「日本一上手い」とはなんだろう?

「スノーボードがいちばんうまいのは誰だ?」
これはSBMのキャッチコピーだが、日本一を決めることは本当に難しく、そういった大会を開催すること=大きな挑戦である、とも言える。スノーボードには様々な種目やカテゴリーがあり、そのすべての競技を行なうのは日程的にも予算的にも現実的ではなく、どこかで線引して軸となる競技を作らなければならない。SBMはその軸を「フリーライディング」「ジャンプ」「バンクドスラローム」の3つにした。

フリーライディングは「カービング技術」や「地形の使い方」、ジャンプは「スタイル」や「トリック難易度」、バンクドスラロームは「スピード」と、この3種目によってスノーボードで注目すべき様々なスキルをほぼ網羅できると考えたからだ。欲を言い出せばキリは無いが、おおむね間違いないだろう。

この3種目をSBMの大会規模で開催した前例はなく、第1回SBMは史上初の試みだった。大会は成功に終わったが、同時に批判も出た。第1回SBMではフリーライディングゾーンの後にキッカーを飛んでフィニッシュだったのだが、キッカーの得点比率が大きくなった印象があった。要は「結局キッカー上手いやつが勝つのかよ」と言う批判が出た、ということだ。もちろん事前に決められたジャッジ基準に則った結果そうなったわけだが、確かにその印象は否定できなかったかも知れない。ただし「ルールの中で最大限のパフォーマンスを見せて栄光を手にした選手達の実力と名誉は1ミリたりとも損なわれることはない」という事は声を大にして言っておきたい。

SBM 1st GAMEの様子。フリーライディングゾーンの最後に3ウェイキッカーでフィニッシュ

しかし前例のない挑戦に批判は付きもの。貴重な経験として受け止め、その結果、第2回SBMは思い切ってキッカーをなくし、ジャッジ方法やポイント制度などが練り直された。「ジャンプの採点対象がある競技でキッカーを無くす」という選択は、なかなかの挑戦だったが、そうしたことで選手達の個性や発想が輝き、様々なラインが生み出される結果に至ったのは過去記事でもお伝えしてきたとおりだ。採点・ポイント制もシンプルになり、誰の目にも分かりやすく改善された。様々なカテゴリーのライダー達が集まる中で、SBMは挑戦とブラッシュアップを重ねながら「日本一上手いとは?」を探求している。

SBM 2nd GAMEではキッカーがなくなり地形遊びの要素が強くなった

2020年、SBM 3rd GAMEはどう変わるのか。噂によるとバンクドスラロームで大きな変化がありそうだ。終わってみればまた批判が出るかも知れない。しかし、SBMと参加してくれる選手達は挑戦をやめない。続報は近日発表!

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