ジャッジ・平間和徳のフリーライド解説
【片山來夢・西村春香】

滑走タイムで競われたバンクドスラロームに対し、ジャッジによる採点が行なわれたフリーライディングとストレートジャンプ。多くのライダー達が高いパフォーマンスで会場を沸かせたが、シビアな判定を下すジャッジの目にはどう写っていたのか。今回はSBMフリーライディング種目でジャッジを務めた平間和徳に2名の選手を解説してもらおう。

平間和徳(ひらま・かずのり)// スポンサー:BC-stream、FLUX 、SMITH、COLLECT MANIA、マツモトワックス、Skitzo、スノサウルス、apple rind、sony action cam、エイアンドエフ、Halagear、SBM、R-LABO、INFINITY、UCC

男子フリーライディング3位
片山來夢(総合順位3位)

【解説】
特筆すべきは、そのスピード感とボードコントロールのうまさです。特に、誰もが減速してしまいがちなスラッシュ系の技をあえて1発目のロールに当て込み、尚かつ一切の減速を見せない。フロントサイドのカベのわずかなアップでバックフリップを決める流れには目を見張ります。スピードが必要なはずのわずかなギャップでバックフリップができるのは、本来減速するはずの技で減速させない、彼の驚異的で超精密、完璧なボードコントロールの賜物と言えるでしょう。その証拠に、バックフリップ直後の着地は一切乱れず、減速のない完璧なカービングターンに移行。ボトムでは加速すら見せています。
フロントサイドのカベでヒールサイドのグラブターンを見せ、ターン後にバランスを崩す場面もありますが、その減点を補ってもおつりが来るほどリズミカルで、しっかり”サバキ慣れた”スムーズなレイバックtoリバース。(0:20)
終盤のロールで見せた270inからのテールスライドtoリワインド(0:24~)でのスピードとテール先端まで使いこなす驚異的なバランスは、そのクリエイティブな技の組み合わせもさることながら、彼が誰もマネできない能力を持っていることを示しているように思えます。ターン・トリック・構成・まさに縦横無人。自由自在を体現したライディングと言えるでしょう。

女子フリーライディング3位
西村春香(総合順位15位)

【解説】
大きく滑らかなターン、そして深くグリップ力のあるターンは女子選手の中で異彩を放っています。0:08〜のギルランデは加速しながらもしっかりグリップ。ボトムで減速を見せることなく次の壁へのスムーズな進入を生みだしていることがわかります。
0:12〜のヒールサイドのギルランデは、フォールラインの中ではもっとも難度の高いターンのひとつですが、スムーズさ、グリップ感が、フロントサイドと変わらないクオリティ。普段からのフリーラン力の高さをうかがわせます。
また、スピードにのったショートターンから繰り出す0:14〜のフロントサイドターンは、男子選手のような力強いグリップ力と深さ、雪面を壊すことのない繊細なエッジングを両立。ターン中心となっている今の構成に、地形遊びのバリエーションとトリックのヒット数を増やすことができれば、彼女の滑らかでメローなリズムがさらに際立ち、SBM GAME2でもっと高みを狙うことができるのではないでしょうか。

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