SBM 2nd GAMEを振り返る

現地で観戦した方は前回大会の感動と興奮を凌ぐその熱狂ぶりを目の当たりにしたことだろう。平成最後にふさわしい劇的な幕切れとなったSBM 2nd GAMEの最終リザルトがSBMオフィシャルwebサイトに掲載されている。

SBM2ndGAME最終リザルト

前回大会から場所を移し、ロッテアライリゾートスキー場(新潟県妙高市)で開催された2nd GAME。コース設計や採点方法などが大幅に見直され、よりわかりやすく、クリエイティブなコンペティションとなった今大会で、選手達は最大限のパフォーマンスを披露。発起人・東野圭吾氏に「前回を超えてきた」と言わしめた。そんなSBM 2nd GAMEをコース解説とともに振り返ってみよう。

Photo:Yoshifumi.Shimizu

採点方法

「フリーライディング+ジャンプ」と「バンクドスラローム」の2種目で争われた2nd GAMEだが、その採点方法は非常にシンプル。初日に開催された「フリーライディング+ジャンプ」の順位と2日目の「バンクドスラローム」の順位を足した数字が総合得点となり、総合得点の数字が小さい者ほど上位となる。
例えば「フリーライディング+ジャンプ」1位、「バンクドスラローム」5位の選手であれば両順位を足した「6」がその選手の総合得点となる。「フリーライディング+ジャンプ」2位、「バンクドスラローム」3位の選手の場合は、総合得点「5」。この場合、数字の小さい「5」の選手が上位となる。
(総合得点が同じ場合はバンクドスラロームのタイムが速い選手が上位となる)

フリーライディング+ジャンプ

コース序盤は斜度のある広いフラットバーン、少し下に緩やかに盛られた二つの山。中盤にはコースの両脇にそれぞれ長さの違う壁がそびえ、終盤にキッカーの土台だけを残したようなノール、そして最後はフィニッシュラインに向けてフラットバーンが続く。

Photo:Yoshi Josef Toomuch

初日の「フリーライディング+ジャンプ」種目で前回大会と大きく違ったのが、キッカーが無いということだろう。
「キッカーが無い」つまりジャンプをするなら、造設されたコースの中に作られたアイテムを駆使して飛ぶほかないのだが、これによって選手達の個性が爆発。驚くほど多彩でクリエイティブなラインが生み出されることになった。選手によって全く異なるオリジナルのラインと発想には、スノーボードにおけるフリーライディングの真髄を見た気がした

Photo:Yoshi Josef Toomuch

リザルト【フリーライディング+ジャンプ】

Freeriding+Jump Result [MENS]
Freeriding+Jump Result [WOMENS]

バンクドスラローム

Photo:Yoshifumi.Shimizu

バンクドスラロームの舞台となったのは、沢地形のコース。ここに全41旗門を配置し、SBM特製バンクドスラロームコースが造成された。
斜度が緩く同じ大きさのバンクが同じ間隔で続く単調なバンクドスラロームのコースを「簡単」とするならば、SBM 2nd GAMEのバンクドスラロームコースは「非常に難しい」と言えるだろう。
なぜなら、今回のコースは「旗門の間隔」「バンクの大小」が一定の旗門数ごとに変化するばかりか、途中で登りがあったかと思えば一気に下ったりと「コースのアップダウン」まで加わっていたからだ。

難所のひとつ「ヘアピンバンクド」 Photo:Yoshifumi.Shimizu

ターンの大きさ、リズム、スピードの増減速に幅を持たせるバラエティに富んだ設計は「加速させる技術」だけではなく、「効果的に減速させる技術」や「戦略的な滑り」が要求された。
体力やマテリアルの性能だけに左右されない今回のコースは、技術と経験値・戦略も必要とされるマスターズの名にふさわしいコースとなった。

Photo:Yoshifumi.Shimizu

リザルト【バンクドスラローム】

BankedSlalom Result [MENS]
BankedSlalom Result [WOMENS]

SBM初参戦の角野友基に注目が集まった男子は、初日7位、2日目のバンクドスラロームで3位となった42歳の小西隆文が角野を抑え、男子総合優勝に輝いた。
女子は初日、2日目ともに実力者達が上位にせめぎ合い、誰が優勝するか全く予想もつかない状況だったが、バンクドスラロームでダントツのタイムを叩き出した佐藤亜耶が見事栄冠を手にした。
ずっと見ていたくなるような最高のセッションが繰り広げられたSBM 2nd GAME。一筋縄ではいかないテクニカルなコースと個性溢れる選手達が起こした化学反応を生で観戦した人には、現地でしか味わえない感動と興奮があったことだろう。そしてまた、そのコースを実際に滑り戦った選手達にしか語れない言葉もあるはずだ。そんな声も追ってお届けしたい。

1位小西隆文 2位角野友基 3位稲村樹 Photo:Yoshifumi.Shimizu
1位佐藤亜耶 2位浅谷純菜 3位本多未沙 Photo:Yoshifumi.Shimizu

SBM2ndGAME最終リザルト

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